ぽんひろの日記

The good you do for others is good you do yourself.

Part4 大切な人を失って

Part4

その知らせは急に届いた。

 

役員面接を翌週に控えた3月中旬のある日。

母方の祖母(92)の具合が悪いという悲報が母から入った。

「一回の食事ではミキサーでドロドロにした物をスプーン2、3杯しか食べられなくなった」

「水も1日200〜300ccしか飲めず」

 

昨年12月に脳出血くも膜下出血を起こし入院していた祖母。

右半身は麻痺していたものの、2月には退院するレベルに回復していたため病院から老健に移っていた。

 

「 会える時に会いに行こう」と思い趣味のフットサルを休み、家族で祖母のもとを訪れることになった。

 

感染リスクの高い高齢者が集まる老健は感染防止対策を徹底していた。

私たちは老健に入った後、検温、手洗い、消毒を済ませた。

他の入居者に接触しないよう、一度外に出て、通常時は封鎖されている鎖を外して非常用の外階段で2階まで上った。

 

祖母のいる部屋のベランダまで歩いた。

 

当初施設の方にベランダから窓越しの面会をお願いされていたが、この日はベランダから祖母の部屋に入ることを許された。部屋に入るのは2人ずつで交代制だった。

 

施設の方に渡された手袋をつけて部屋に入った。

祖母は入浴後で西日を浴びながら寝息をスースーとたてて眠っていた。

気持ちが良さそうだったが、痩せ細った腕や肩を見て面食らった。

ここまで弱っているとは想像していなかった。

声を掛けようとしたが思いが言葉にならない。

何より寝てる人を起こすのも気が引けた。

 

「ばあちゃん、来たよ」

一緒に部屋に入った兄が呼びかけるも、すやすや眠る祖母。

こういう時に躊躇なく声をかけられる兄は心強かった。

私は涙を堪えるのに必死だった。

祖母との別れは近い。

目の前で眠っている祖母がいるのにそんなことを思ってしまった。

施設の方が窓越しの面会ではなく、部屋に入ることを許したのはそのためだったのだろうか。

 

面会中、私は結局何も言うことができなかった。

軽く祖母の手を握り、顔を近付けただけ。

施設の方に写真を撮ってもらい、面会は終わった。

 

翌週、姉や他の親戚なども面会予定だったが、それは叶わなかった。

私たちが訪れた2日後の3月16日、祖母は他界した。

 

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祖母が亡くなった後、母や叔母の雑務を可能な限り手伝いたかったため、少し仕事を外れることをクライアントに伝え、了承してもらった。

初めて✳︎「湯灌(ゆかん)」にも立ち会った。

葬儀、通夜の予定が決まり、幸いにも役員面接とは被らなかった。

 

湯灌の2日後の朝、Google Meetを繋げ役員面接に臨んだ。

 

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次回、Part5 火葬場で合否判明

いよいよ佳境。役員面接の結果は?

 

これを書いている前日の4月24日が祖母の四十九日でした。

このブログを書くことでさらに祖母に想いを馳せることができました。

書くことは楽じゃないし簡単でもないけど、書いてきてよかった。

 

また週末を目処に更新します!頑張りまーす

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✳︎「湯灌(ゆかん)」

棺に入る前に納棺師がご遺体を入浴させたり、爪を切ったりして綺麗に清めること。

私も祖母の足を洗ったり、靴下を履かせたりした。

 

Part3 たかをくくる〜天国と地獄〜

〜3月中旬〜

思いもよらない質問やかなり詰められる場面も多かった一次面接。

次の面接に向け事前準備の必要性を痛感した。

ノートを広げ、ボールペンを走らせた。

 

「なぜ入社したいのか」

 

「前の会社を辞めた理由をもう一度整理しよう」

 

「もし入社したら自分にできることや、やりたいことは?」

 

「5年後10年後に成し遂げたい目標は」

 

「おすすめの入浴法を聞かれたら答えられるようにしよう」

 

一次面接で聞かれたものの、うまく答えられなかった質問を振り返る。

手間と時間を要する作業だったが入浴法以外は最低限答えられるようノートにまとめた。

 

〜二次面接〜

所定の時間になりGoogle Meetに接続する。

画面に映った面接官は2人のみだった。

ふと頭に疑問が浮かんだ。

年齢的に部長クラスの方か?

役員面接を2人だけで行うか?

事前に確認したクライアントのHPで役員は少なくとも5、6人はいた。

ということは、今日とはまた別の機会で役員面接があるはず。

そんなことを想像して暗澹たる気持ちになりながらも二次面接の幕が開けた。

 

 

「ぽんひろくんの仕事ぶりはPM(プロジェクトマネージャー)から聞いています」

 

「大変貢献していただいている」

 

「ぜひ入社して欲しいと思っています」

 

面接官が放ったつかみの言葉で先ほどまで沈んでいた気持ちが嘘だったかのように高揚した。

ようやくPMが自分を推薦してくれてることを実感できた。一安心。PM、嘘ついてなかった!心が躍る。

 

「ただ入社してもらうには役員面接を突破してもらう必要があります」

(げ。予想通りこれから役員面接か)

 

「なぜ前職をやめたのかというのがネックになってくると思いますので私に今説明してみてください」

この質問は下準備をしていたため淀みなく答えられた。

面接官の方も納得していた様子だった。

自分の話が面接官に理解されていることがわかるとこちらも饒舌になった。

 

一通り面接官からの質問に答えた後は私から質問をする時間を設けてくれた。

部長クラスでしか知り得ない内部の情報をいくつも教えてくれた。

会社の課題、現在の具体的な売り上げ、今後の展望についてなど。

このブログにも書けないようなことを聞けた貴重な機会だった。

一次面接とは比べ物にならないくらい満足のいく内容で、時間が経つのもあっという間だった。

 

「では次のステップに進んでもらうよう選考を進めますね」

「役員面接頑張ってくださいね」

終了直前にこう言われ、役員面接は翌週受けることになった。

二次面接の少し前に受けた適性検査は半分も解けなかったが通過することに。

点数なんてきっと見ていないのだろう。

 

「取締役にも話は通してある」と言っていたPM。

役員面接も形式的なもので楽々通過するだろう。

この時私はたかをくくっていた。

 

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続く。次回Part4 「大切な人を失って」

※Part2の最後に書いた予告編でPart3のタイトルを「大切な人を失って」と書きましたが、Part3が思いのほか長くなってしまったので3と4に分けることにしました。m(_ _)m

 

Part4はこの経験を文章にまとめる契機になった出来事を書きます。

更新を楽しみに待っててくれた方本当にありがとうございますー。

「続きを読みたい!」と言ってもらえるのも嬉しい限りです。

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家の壁にいたヤモリ?

 

天国と地獄 Part2 面接

続き。

〜一次面接〜

3月に入って、一次面接の時を迎えた。

 

「もう取締役には話を通している」

と言われてるしクライアントから入社して欲しいと頼まれたから受けてるわけで「面接は形式的なものだろう」と思い、それほど準備しないで面接に臨んだ。

 

 

3月上旬は緊急事態宣言が再発令中だったこともあり、面接はオンラインで行われた。

 

面接官は3人。それぞれ自宅からGoogle Meetを繋いでいるようだった。

ちょっと寝癖のついた部屋着姿の40代とみられる男性。

体格が良く短髪で髪も整ったビジネスマン風のスーツ姿の30代?男性。

ビジネスカジュアルな服装をしていた落ち着いた雰囲気の女性。

 

所要時間は1時間とメールに書いてあったが1時間もやらないだろうと勝手に思っていた。

 

「初めに自己紹介と志望動機を3分程度で教えてください」 

「初めまして、ぽんひろです…かくかくしかじか」(いや、志望動機も何も御社の社員にお願いされて面接受けてるんだけど…まあいいやこれも形式的なものだろう)

 

「あなたの人柄を表すエピソードを」

(おお、ちゃんとした面接やるんかい!いやエピソードなんて用意してないぞ汗。)

「せ、誠実です」

 

「前職を辞めた理由と今の仕事を始めたのはなんで?」 

(これは聞かれるだろうと思ってた。辞めた理由を知らない読者様は過去ブログ参照) 

 

「今フリーランスですが会社員に戻ることに抵抗は?なぜ戻るの?」

(うーん御社にお願いされてるからなんだけども。抵抗とか考えたことないし。)

 

座右の銘を教えてください」

(この質問、用意してないと意外と答えに困る。継続は力なりとかはあまりにも月並みだしニーチェとかカントとかの偉人の名言も斜に構えてる感じするしなぁとか余計なことばかり頭に思い浮かぶ。額に汗が垂れてきた。)

「感謝ですかね」

(焦った結果何の個性もない座右の銘とも言えない回答になる)

 

 

「5年、10年後のキャリアプランを教えてください」

(あるかそんなもん。10年後の報道環境なんて誰もわからんわ。仕事をくれるクライアントの要望に最大限答えられるようにするだけや。)

 

「弊社に入って貢献できることは何ですか」

(今やってる仕事で御社に貢献してますわ…え、何ならその働きぶりをみて声かけてくれたんでしょ?)

 

「仕事する上で大事にしていることは何ですか」

(いつまでやるんやこの面接。長いなぁ。)

「かくかくしかじか」

 

 「ぽんひろさんなりのストレス解消法を教えてください」

「風呂ですかね」

「ほう、おすすめの入浴法はありますか」

(いやそんな入浴剤とかまでこだわってないわ)

 

全ては書ききれないが、3人の面接官からそれぞれ質問を受けた。

 

「以上で本日の面接を終わりにいたします」

(開始から50分くらい経ってた。普通の採用面接と変わらない長さ)

 

「貴重なお時間割いていただきありがとうございました」

色々ツッコミたい事はあったが私は社交辞令でお礼を言った。

「ぽんひろさん、結果は一週間以内にメールでお知らせします。今日は水曜ですが早ければ今週中にも」

と告げられた。

 

4月入社を目指しているとPart1に出てきたプロジェクトマネージャー(PM)は言っていたため、選考を急いでいるようだった。

 

あと何回面接するのか。

次は何をするのか。

何もわからなかった。

 

面接とは建前と本音の使い分けが必要で、本音を話すのではなく嘘ではない建前を瞬時に思いつき発言する場だなと再認識させられた。

 

2日後の金曜日、クライアントから結果のメールが来た。

 

「次のステップに進んでいたただきます」

「2次面接と適性検査を受けてもらいます」

 

想像より長時間面接され、落ちる可能性もあると思ってたため、とりあえず胸をなで下ろした。

同時に、いや、何次面接までやんねん!

取締役まで話を通してるというのはなんだったん?

適性検査て新卒の就活時に受けたやつ?

 

といった不安やクライアントに対する疑念も生まれてきた。

 

続く。

 

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次回Part3「大切な人を失って」

いよいよ最終面接?その顛末は。ぽんひろに降りかかる新たな出来事とは。

お楽しみに。

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 最後まで読んでくれてありがとうございます!

次の土日くらいまでにPart3の更新頑張りまーす。

 

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天国と地獄 Part1

ども。かなりご無沙汰。

昨年12月にフットサルのことを書いてから更新できず。

何かを書けるほどのエネルギーが湧かなかった。

心の底からふつふつと湧く「何か」がないと自分は文章が書けない。

その「何か」をはっきりさせるために今回は心が激しく動かされた出来事を書く。

 何日かかるかわからないが最後まで書き上げたい。

 

〜2月下旬〜

突然のことだった。

「4月から給料あげるから頑張って」

仕事をいただいているクライアントからこう告げられた。

嬉しさと同時に「なぜこのタイミングで昇給?」

という疑問がよぎる。

「契約を変えないといけないから今度オンラインミーティング(MTG)で諸々説明させて」

 「わかりました」その日はそのやりとりで終わった。

 

「昇給かぁ。クライアントに自分の働きぶりが評価されたんだなぁ」

誇らしかった。

そんなことを思いながら翌週のMTGに臨んだ。

 

 〜翌週〜

「昇給の話なんだけど…」

 

プロジェクトマネージャー(PM)が話し始める。

「はい」

「昇給させたいと思ってたんだけど」

 

………

 

「ぎく、やめることにでもなったのか。怖い」

鼓動が早くなる。

 

「うちの社員になって欲しい」

「ちょうど欠員が出たのもあり、ぽんひろ君優秀だから」

 

予期せぬPMの言葉に黙ってしまった。

 

「仮にぽんひろ君が社員にならないにしても昇給はするから」

(社員にならなくても業務委託契約のまま昇給するという意味)

「4月から入社して欲しいと思ってるから一週間くらいで考えて欲しい」

「実はもう取締役にぽんひろ君の話はしてて、OKももらってる。来年度の予算も組んでる」

「役員面接は受けてもらうけど、あとはぽんひろ君の意思次第だから。外堀から埋めるタイプなんで(笑)」

立て板に水のように話すPM。

 

「はぁ」思いがけないPMの言葉に口がぽかんと開いていた。

「検討させてください」そう話してGoogle Meetを閉じた。

 

「まじか!」「昇給じゃないのかよ!」

昇給だけでも嬉しかったがまさか社員になって欲しいとの打診を受けるとは。

フリーランスで働くのも悪くはないが、フリーにこだわっているわけでもなかった。

自分を必要としてくれる会社ならそこで社員になろうと思った。

 

MTGが終わった後にLINEでこの事実を家族や友人に伝えた。

「実力認められたんだね。おめでとう」

「尊敬する!」

家族や友人も喜んでくれた。

 

が。

周囲に伝えたことを後悔する日が来るとはこの時知る由もなかった。

 

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Part2に続く。

 

もう我慢できず再開!

本日10か月ぶりくらいにフットサル再開。

 

足首をケガしてましたが、恐らくもう完璧には治りません。慢性的。足首にサポーターをしながらの復活です。


恐る恐る動かすと大きな痛みや違和感はなく蹴れました。サポーター様々。

 

体を動かすっていいですね。
改めて運動の心地よさ、チームスポーツの良さを実感しました。
でも勝てなかったのは悔しい。

 

私が所属しているチームはリーグ戦にでているため、メンバーは真剣にフットサルをやってます。練習を録画して後から反省もしてます。自分もケガする前はその一員でした。しかし学生時代サッカー部ではなかった素人の自分は基礎ができないので、しょっちゅう怒られます。

「ぽんひろさん、何回同じミスしてんすか」

「止める蹴るできないと厳しいっすよ、切り替えも遅いし」。


軽い気持ちで趣味として始めたフットサルにのめり込み、楽しくも怒られる日々。もちろん嫌になることあります。でも大人になってこれほど自分を叱咤激励してくれる仲間がいることが嬉しかったり。

 

そんな日々がケガで急になくなったのがきつかった。何かを継続する難しさを再認識しました。皆さん継続して何かに真剣に向き合ってることってありますかね、あるとしたらそれは尊いし、すごい。

 

これからは体のケアを怠らず、牛の歩みのように少しずつうまくなっていけたらな、そう思えた師走の一日でした。ちゃんちゃん。

著名人の自殺、やってはいけない報道

ども。ぽんひろです。

先日、三浦春馬さんが亡くなりました。おそらく自殺です。非常に悲しい。

 

自分にできることはほとんどありませんが、キュレーションサイトの編集に携わるメディア関係者の端くれとして人の自殺をメディアでどう伝えるべきなのか書こうと思います。

 

この記事の見出しは著名人の自殺としましたが、一般人の自殺も含めた伝え方の話です。メディア関係者向けの話ですが、誰でもSNSで発信や閲覧ができる時代で、自身で発信する人はもちろん、閲覧のみに使っている人にも、参考にしてもらえれば幸いです。

 

記事後半に、メディアが春馬さんの死をどう伝えたか、実際の記事を見ながら私なりに感じたことをまとめています。

 

今回私がこの文章を書くに当たって参照したのはWHOが作成している文書です。

リンク↓の文書は2万字超えと長いです。興味ある方はこのブログを読んでからの方が理解しやすいと思います。 

https://www.mhlw.go.jp/content/000526937.pdf

 

このブログは上記のWHOのガイドラインの要約と私、ぽんひろの見解を書いたものです。

また、以下の疑問を抱きこの記事を書くに至りました。

  • 一般人や著名人の自殺を報道する際、なぜ注意する必要があるのか。
  • 注意した結果どうなるのか。
  • メディア関係者ではない人が注意すべきことは何なのか。
  • 自殺の報道をすることでどのような影響があるのか。悪影響と好影響。

  

自殺報道で気を付ける点(厚労省

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000133759.html

WHOが自殺予防のメディア関係者向けのガイドラインを作成しています。その簡易版を厚労省がまとめています。こちらはすぐ読めるので是非ご一読を。

 

 

やってはいけない自殺報道の仕方

  • センセーショナルな見出しでの報道
  • 極端に簡単にした自殺理由を伝えることや推測で自殺理由を伝えること
  • 目立つ位置の報道
  • 過度に繰り返す報道
  • 自殺の手段や場所を詳細に伝える
  • 自殺を問題解決の手段の1つのように伝える
  • 現場の写真や映像を用いたりリンクを貼ったりする

 

上記の報道は模倣自殺を招く可能性があるため、伝え方は十分注意する必要があります。現に芸能人など著名な方が亡くなった月は自殺死亡率の増加が認められ、報道後3日以内に自殺関連行動の増加がピークを迎え、2週間で横ばいになるといいます

✳︎もちろん、全てがこの統計に当てはまるというわけではありません。

 

報道すべき事柄

  • 具体的な支援先
  • 苦しい境遇で自殺を企図しようとしたが、上手に対処した人の経験
  • 亡くなった人の人生、社会的な貢献(著名人の場合)

自殺を企てた人が、自殺せずに上手に対処した人の報道を見て、踏みとどまったケースがあります。そのようなケースを知ることで、自殺関連行動を減らすことができるのです。つまり報道機関が伝えるべきことは苦しんでいる人への支援の情報や同じような境遇の人が乗り越えたエピソードなのです。が、実際の報道ではあまり目にかけません。

 

メディアに関係のない人ができること

  • 自殺した人の画像や映像をリツイートなどで拡散する際に、上記のようなやってはいけない報道内容が含まれた文章ではないかをチェック
  • 自身で発信する際にも推測で自殺理由を書いたり自殺の手段を書いたりしない。画像の拡散も十分留意する。(春馬さんの場合もTwitter上には様々な憶測が飛び交っているように感じました。)
  • 体力的、精神的にしんどい時はSNSやメディアを見ない!

なぜこのようなことに注意する必要があるかというと、メディア以外の企業や組織、個人が発信するのが当たり前の時代で、一人ひとりの発信で、今本当に苦しんでいる人の自殺関連行動を増やすか減らすかを決めるからです。

大袈裟ではありません。

自殺の手段が書かれた記事をあなたが拡散することで、たまたま精神的にまいっている人が目にして自傷行為を含む自殺関連行動を取ってしまう可能性を増やすかもしれないのです。

 

あなたのリツイートやストーリーなどの投稿を見ることであなたのフォロワーは良くも悪くも影響を受けます。そして自殺報道の場合は、その理由や手段に注目が集まり、往々にして悪影響を受けるフォロワーが多いのです。

 

実際の報道

FNN(フジテレビ系列)

 

www.fnn.jp

悪い点

→「クローゼットの中で〜」と自殺した場所と手段が明確に書いてある点

他のメディアに比べると、見出しがややセンセーショナル

良い点

→「いのちの電話」の相談先が電話番号まで明記されている

 

朝日新聞

digital.asahi.com

良い点

自殺した具体的な場所、手段が書かれていない。FNNとこの点が大きく違う

三浦さんの生前の活躍を書いている点。事実を伝えるためのシンプルな見出し

 

NHK

www3.nhk.or.jp

良い点

→朝日と同じで具体的手段などが書かれていない。シンプルな見出し

悪い点

支援先などの具体的な情報がない

 

文春

bunshun.jp

悪い点

→モザイクを付けているが、三浦さんが住んでいたマンションの写真を載せている。(この写真は本当に必要なのだろうか)

FNNと同様、自殺の具体的な手段と場所が書かれている。

自殺理由はわかっていないとしながらも、他の著名人の自殺の理由にも言及し、三浦さんの理由にも関連づけている

支援先の情報がない。

 

 

全てのメディアについては書ききれません。また記事の内容や見出し以外にも、留意する点はあります。テレビの場合は自殺をトップニュースとして扱わない、繰り返し伝えない。新聞の場合は目立たないよう一面に持ってこないなどに気を配る必要があります。

私が編集に携わっているキュレーションサイトでは、自殺関連記事を長時間にわたって掲載しないなどの注意をしながらサイトを運用しています。

 

 

終わりに

WHOのガイドラインを守ることが唯一の正解だとも思いませんが、現状はこのガイドラインを参考に自殺の伝え方を模索していくべきと考えています。ご意見はコメント欄にてお伝えください。お待ちしております。

所々偉そうに書いてすみません。長文読んでくださってありがとうございました!

ぽんひろ。

 

 

さよなら通勤、初めまして確定申告

ども。ぽんひろです。

 

前回は退職報告でした。想像以上にフェイスブックやラインでコメントを頂いたり、このページにアクセスしてもらったりしました。ありがとうございます。記者の労働環境に関しては、マスコミで働かれているみなさんも思うことが多々ありそうなので、個別に様々な人の意見を吸い上げて、どこかでまとめたいと思いました。会社を辞めた身なので、一つの会社にとらわれず横断的に意見を聞けますし。新聞労連や各社の組合が意見を集約しているのかもしれませんが、外部の人間には伝わりにくいのが現状ですね。マスコミ業界の働き方に関してまとめられている記事や書籍などがあれば教えていただけると幸いです。

 

余談が長くなりすみません。本題です。

今後の仕事に関して

(実際にはまだ働いていないのでわかる範囲で書きます)

退職の約1週間前に知人から偶然ニュースサイトの編集をする仕事を紹介してもらいました。持つべきものは友ですね。どのニュースサイトの編集をするのかは守秘義務があり書けませんが、サイト全体の体裁を整えたり、各記事の閲覧数を分析したり、他のニュースサイトとの比較をしたりする仕事です。今までの記者の仕事のように自ら記事は書きません。細かい話ですが、新しい会社に労働者として勤めるのではなく、業務委託という契約を結ぶため、福利厚生などはありません。詳細は後述。

 

これまでの仕事と大きく異なるのは、在宅で仕事ができる点です。満員電車に揺られて通勤する必要がなくネット環境があればどこでも業務を行えるのが魅力です。業務中の連絡も会議もスカイプのチャットで行います。一方デメリットは業務委託契約なので、各種税金を自分で納める他、確定申告を自分で行うなどの事務作業が増えることです。フリーになって初めて自分で住民税や保険料を納めました。会社に所属していると経理の方がやってくださってたんですね、今更ながら感謝です。確定申告などわからないことだらけで日々勉強ですが、読者様のお知り合いでフリーランスをやられている方がいれば紹介してくださるとぽんひろは大喜びします。笑

 

急に仕事がなくなるかもしれないのがフリーランス。サイトの編集が板についたらそのうちどこかに就職するかもしれません。ただ現時点で必要とされているポジションで仕事に邁進したいと思います。

 

蛇足

ブログを書いていると、会社員の記者として原稿を書く時との違いを実感します。当たり前ですがブログの場合、自分が書いた文章に誰かが手を入れたり、チェックしたりしてくれる人はいません。新聞社の原稿の場合、手直ししてくれる上司(デスク)や誤字脱字等を指摘する校閲がいるので最低でも執筆者含めて3人の目は通ります。会社によっては更に多くの人の目を通して新聞は出来上がります。そのような体制であっても新聞紙面上には記事に関する訂正が掲載されています。何が言いたいかというと、1人でブログで書くというのは、このような丁寧な作業工程を全て飛ばしているということです。私の場合、ブログの執筆後から公開まで5回は読み直しますが、公開してから手直しすることもあります。ダブっている表現、誤字脱字、主語と述語の不一致などのミスが多いです。ご指摘いただけると幸いです。

 

 

長くなりましたが今日も読んでいただいてありがとうございました。

球春到来を首を長くして待っているぽんひろでした。